スキャルピングにおいてナンピンは有効?ドルコスト平均法との違いについても解説

「副業としてFXをはじめよう」とお考えの方には、「スキャルピング」と呼ばれるトレード手法をおすすめします。

スキャルピングとは、ポジション保有時間が数秒から数十秒程度の超短期取引であり、多忙な方でも空き時間にトレードできる点がメリットです。

ところで、FXのトレード手法の一つに「ナンピン」と呼ばれるものがあります。

ナンピンはポジションの平均取得価格を下げる手法ですが、トレンドが転換しない場合には損失を拡大させてしまうので、注意深く使わなければなりません。

スキャルピングはトレンドが転換するまで長時間待つようなトレードスタイルではないため、基本的にはナンピンをしない方が良いでしょう。

ただし、レンジ相場では例外的にナンピンが有効なケースもあります。

本記事では、スキャルピングの初心者に向けて、ナンピンの有効性・危険性、コツや注意点、ドルコスト平均法との違いについて徹底解説いたします。

FXのトレード手法の一つである「ナンピン」とは?

「ナンピン」とは、ポジションを保有してから思惑と逆方向に相場が動いた場合に、ポジションを追加することで平均取得価格を下げる(上げる)手法です。

なお、漢字では「難平」と書きます。江戸時代の米の先物取引において、「困難・難儀を平らに(平均化)する」という意味で使われるようになりました。

具体例として、「ドル/円の相場が105円のタイミングで『これから価格が上昇する』と予想し、買いポジションを1万通貨分保有した場合」について考えてみましょう。

ポジション保有後に思惑とは逆に価格が下がっていった際に、103円のタイミングでポジションを1万通貨分買い増しすると、平均取得価格は(105+103)÷2=104円になります。

つまり、ナンピンすることにより、「105円まで戻らなければ損失が出る状態」を「104円に戻れば損失が出ない状態」にできることが分かります。

一定の時間が経過すれば、相場が元の水準に戻ることがしばしばあります。

そのため、ナンピンには「損失を回避したり小さくしたりする効果」があるといえるでしょう。

ナンピンとドルコスト平均法の違い

平均取得価格を小さくする手法として、ナンピン以外に、「ドルコスト平均法」があります。

ドルコスト平均法とは、「一定の時間間隔で、一定金額を投資する手法」です。

相場がどのように動いても、常に同じ金額分のポジションを追加していくことが特徴です。

買いポジションの場合、価格が高い時期には少量のポジションを積み増すことになり、価格が安い時期には大量のポジションを積み増すことになります。

ナンピンは「思惑と逆方向に相場が動いた場合に、損失を回避あるいは減少させる目的でポジションを追加する手法」であり、損失が出ていない状況でも機械的にポジションを増やしていくドルコスト平均法とは明確に異なります。

スキャルピングのような超短期取引においては基本的にナンピンをすべきではない

ナンピンは、平均取得価格を下げることによって、一時的なトレンドが反転した際に決済し、損失を回避あるいは減少させる手法です。

一旦形成されたトレンドは、中々、反転するものではありません。

そのため、ナンピンという手法を駆使するためには、ある程度の待ち時間が必要です。

スキャルピングは、数秒から数十秒程度しかポジションを保有しない手法です。

スキャルピングのポジション保有時間内ではトレンドの転換が起こらず、ナンピンをしても損失を拡大させるリスクが高いといえます。

基本的にナンピンという手法は、トレンドの転換を期待できる中長期トレードに適しています。

超短期取引であるスキャルピングにおいては、ナンピンを使わない方が良いでしょう。

レンジ相場の場合は例外的にナンピンが有効なケースもある

前の節で、基本的にスキャルピングではナンピンを使うべきではないと述べましたが、例外があります。

それは、レンジ相場が成立しているケースです。

スキャルピングが対象とする数十秒程度のタイムスパンであっても、レンジ相場が成立していることがあります。

その場合は、レンジの幅を超えて価格が変動しにくい状態になっているため、例外的にナンピンが有効です。

ただし、ナンピンをすべき局面であるかどうかを見極めることは困難です。

しばしばレンジをブレイクしてしまう事態が発生します。

そのため、基本的にスキャルピングではナンピンを避け、思惑と逆方向に動いたら損切りしてエントリーをやり直す方が良いでしょう。

本記事が、スキャルピングにおけるナンピンの有効性・危険性、コツや注意点、ドルコスト平均法との違いについて知りたい方のお役に立つことができれば幸いです。

なお、「スキャルピングをはじめてみよう」とお考えになった未経験者は、まずはFX業者の口座を開設してみてはいかがでしょうか。